[機器日記] Auショップへ赴き、どうやら僕には買い替えできるiPhoneがあるらしいと分かった話
某月某日、からくもゾンビのように迫って来るiPhone修理ショップ受付嬢による危機を脱した僕は、夕方になってAuショップへ赴いた。今度は「修理の時間」ではなくて、「子供の時間」である。
いや、子供向け回線のAuスマートパス・プレミアムとやらを解約しようとしたけれども、うかつにも4桁の暗証番号を忘れてしまったのだ。説明通りだとネットでも暗証番号を変更できるハズなのだが、どういう訳か却下されてしまう。「ご近所のAuショップへ赴いて下さい」である。
仕方がないので、再び花粉症メガネとN95マスクを装着して、自らAuショップを訪問することにした。ちなみに医師のK先生や、作家の知念先生はKF94マスクを利用しているとのことだ。N95には耐えられない家族も、KF94を利用している。
(僕はKF94ではフィットするマスクが存在せず、EverryのN95マスクなどを利用している)
まずは暗証番号の変更
快調に自転車を漕ぐこと10分、予定通りにAuショップへ到着した。店内は待機者はいないけれども、お客さんで一杯である。
しかし臆することなく入店して、受付で発券機を操作する。
「いらっしゃいませ、ご予約はございますでしょうか」
さっそくスタッフがやって来る。
「はい」
スタッフの指示を待たず、発券ボタンを押す。発券機の操作方法など、よく見れば一目瞭然だ。
「失礼しました。17時30分に御予約の小野谷様ですね...」
「いや、17時に予約している小野谷です」
予防的措置のため17時ジャストに来るようにという予約説明に従ったけれども、どうやら素直に従う者は多くないらしい。慌ててスタッフは、予約台帳を再確認した。
「失礼しました。17時でした。ではすぐにご案内しますので、そちらでしばらくお待ちください」
カップヌードルのように待つこと三分、僕は事務スタッフの待つブースへと案内された。
「いらっしゃいませ、本日の御用件を伺えますでしょうか」
「子供向け回線xxxx-xxxx-xxxxの暗証番号を確認もしくは変更することと、かえトクプログラムでの買い替え方法の確認です」
そういうと、僕は要望される前に免許証をスタッフの方へと押し出した。
「ありがとうございます。ご住所の変更などはございますでしょうか」
「変更ありません」
「契約者ご本人様でしょうか」
「はい、本人です」
「しばらくお待ち下さい」
そういうと、なぜかスタッフは席を離れて、スタッフ室へと入っていた。彼女が戻って来たのは、それから三分後だった。
「お待たせしました。ご利用者様がお持ちになっている、お子様の電話回線の確認が完了しました」
へえー、どうやらスタッフ席に設置されているノートパソコンでは、子供向け回線の契約確認ができないらしい。
「大変に申し訳ありません。暗証番号の確認はできないので、変更手続きとなります」
「承知しました」
「では、こちらに契約者様のお名前や電話番号を...」
そう言うと、スタッフは僕にiPadを差し出して来た。相変わらず、確認作業が何度も生じる。しかし以前よりも、入力データ項目は減ったような気がする。
「ありがとうございます。それでは番号変更をして参ります」
そういうと、彼女は再びスタッフ室へと消えていった。
僕はTwitterの未読チェックも終えてしまったので、ぼんやりと正面を眺めていた。何やら神奈川県公安委員会と書かれた、機械工具商というプレートが置かれている。そういえばiPhone 8 Plusのバッテリー交換をした非正規サービスプロバイダ店にも、同じプレートが飾られていた。
3分ほどして、再び彼女は帰って来た。
「お待たせしました。データの確認が取れました」
そうして自席に座ると、彼女は暗証番号の変更手続きを完了... できなかった。
なにやら想定外のことが生じているようで、暗証番号の変更が完了しないらしい。なるほど、僕がMy Auでオンライン変更できなかったのも、どうやら何か原因があるらしい。
「申し訳ありません。しらばくお待ちください」
そういって彼女は、スタッフ室へ消えていった。今度は少し長くて、五分くらいは待っただろうか。
五分というと、日清食品の "横浜家系ラーメン" に丁度良いくらいの待ち時間である。
「お待たせしました」
そういうと、彼女は三度目の正直というか、今回でケリをつけようという意気込みなのか、僕の目を覗き込んできた。
僕はというと、やることは山積み状態だ。待っている間も仕事していたので、何やら彼女の含みのある表情に、少しばかり驚いてしまった。
「実は......」
理由は、すぐに判明した。
「お客様、お子様向けフィルタリングサービスなどの設定をなさっていますでしょうか。ご自宅で実施できるように、弊社からお配りした資料に記載されていた内容です」
「はい、設定しました」
「分かりました。それでは大変に申し訳ないのですが、こちらの書類にご契約者様とご利用者様の住所や生年月日をご記入して頂く必要がございます」
そういうと、彼女は一枚の紙を差し出して来た。
なるほどねえ。
道理でMy Auでは、暗証番号を変更できない訳である。
つまり利用者が勝手なことを出来ないようにするため、セキュリティ対策として暗証番号の変更がブロックされていたのだ。
たしかにショップで回線自体にフィルタリングをかけて貰うようにしたし、子供用に調達したiPhone 11でも子供向け設定作業を実施した。
ちなみにiPhone 11でのフィルタリング設定は、iPhone 8 PlusへSIMを差し替えて回避できている。それでAuスマートパス・プレミアムの解約手続きを進めることが出来たものの、最後の暗証番号で引っかかってしまったということらしい。
と、いうことで、入店してから40分近くもかけて、自分の名前は5回くらい書いて、ようやく暗証番号の変更に成功したのだった。やれやれ。
ちなみに店内は賑やかだったし、やっぱり花粉症メガネとN95マスクを装着して来て正解だったらしい。まあ想定よりも長時間になってしまったが、僕はワクチン四回接種者である。このくらいならばマスクと眼鏡で何とかなるだろう。
おまけにAuショップだと客側はともかく、スタッフは全員が不織布マスクを装着している。まっかなお鼻を剥き出しにしている鼻マスク氏も存在しない。
(ただしさすがに換気の良くない場所に長時間いると、いくら花粉症メガネやマスクというか、PPEで防護しても防ぎきれなくなってしまう)
かえトクプログラムでは新機種一括OK
さてこちらが本題であるが、実は子供はiPhone SEで契約し、"かえトクプログラム" を適用している。これ、2年経過したらば新機種を割引価格で購入できるという制度... ではない。
イメージ的には自動車を購入する時の下取りサービスに近い。しかし自動車と違って、「25か月目で新機種購入し、旧機種を返却すること」という "縛り" が課せられている。そして縛りの分だけ、本来の下取り価格よりも高額で引き取って貰えるようになっている。
マンガの呪術廻戦のように、最近は何かとムズカシイのである。
25か月を経過すると、高額設定の下取り価格分を分割払いするように自動再契約されてしまう。もちろん25か月以降でも端末返却は可能だけれども、その際は "高額設定の下取り価格 - 普通の下取り価格" を支払う必要が発生する。これ、けっこう侮れない金額である。
最近のiPhoneは長期間の利用が可能になっている。2年ごとにiPhone間でデータ移行作業するのは面倒だ。LINEとかApple Walletとか、注意事項が増えている。子供用だと、子供向けフィルタリング設定なども必要になる。
おまけに、かえトクプログラムというのは、Au契約ユーザでも利用可能となっている。これは裏を返すと、別にAu回線を契約しているから特別サービスをしてくれる訳ではないということだ。
世の中に、そんなに美味しい話は転がっていない。Auからスマホを購入し続けなければならないという制約条件を課せられるだけである。最新機種を使い続けたい利用者には向いているかもしれないが、我が家には全く向いていない。
(誰かさんなど、執拗にiPhone 11を手放したくないと騒いでいる)
で、窓口で質問したところ、「25か月目の新機種購入は、別にスマホトクするプログラムを契約しなくても、高額下取り価格が適用可能」とのことだった。つまりAppleでSIMフリーiPhoneを購入すれば、携帯会社の優待価格制度(ただし2年ごとに機種変更が必要)という輪廻転生の輪からは外れるものの、分相応の生活をすることが出来る。
だって、ねえ...
優待価格であっても、二年ごとに新機種を購入するということは、二年ごとに出費が発生するということだ。だからこそ、先に述べたように、常に最新機種を使いたがるような者には向いている。しかし我が家には、あまり向いているとは言えない。
(我が家の場合、2年とは全く関係なく、「機種変更したいー」が発生する。ある意味では「最新機種を使い続けたい」よりも贅沢な生き方である)
ともかく「勝利への方程式」というか「ゴールまでのボールの軌跡」というか、かえトクプログラム(後継はスマホトクするプログラム)からの脱出方法は決まった。
あとはiPhone SEの代わりにiPhone 11を使うようになった子供が、「この丸みのあるスマホカバーから離れられないっ!」という状況なので、ぴたっと4G LTE契約から5G契約へ移行できない悩みくらいだろうか。
ちなみに僕が調べた限りではAu回線契約と、かえトクプログラムは紐付いていない。だから現在の4G LTE契約を維持したまま、iPhone SE(5G SIMが必要となる第三世代)や、2022年9月に登場するかもしれない "iPhone 14?" を優待購入できるという訳である。
あー、しかし... どうして携帯会社の回線契約や端末購入プログラムって、こんなに面倒なんでしょうかね。暗証番号にしても、Auショップへ赴く必要がある。
まあ学校が「子供向けセキュリティ対策は必須」と義務付けていることが原因だから、携帯会社が悪いという訳では無い。たしかに有名無実なセキュリティ対策を義務付けている存在が一番悪い。
(現実は株価アプリからYahoo!ニュースを閲覧したり、子供たちの悪知恵は留まるところを知らない。定期的に利用履歴を確認するとか、本人たちの自覚を育てるとか、地道なところから攻めていくのが、最も効果的だったりする)
それから家族にしてもAu回線から離れることが出来ないけれども、これはAuメールアドレスを変更すると、連絡の取れなくなってしまう友人たちが存在することが理由だ。だから別に、Auが悪いという訳ではない。
(Auがezweb.ne.jpを解約後も利用させてくれるようになったら、一気にユーザが減少するかもしれない)
動画をアクセスしまくる子供にしても、いざという時の回線安定性を考えると、Au契約にしたいという母親心が節約推進を阻害しているだけだ。
そしてこういった厄介な悩み事に対しては、本人たちではなくて、僕が対応することになる。
ああ、せっかくの夏季休暇期間が、スマホの契約見直しで消え去って行く。どんどんマスクも消費されてゆく。数年前のキッズケータイ行方不明事件に比べればマシと言えるかもしれないが、父ちゃんは大変なのである。
(それでも食事が偏らないように、未だに子供向けにピンク・グレープフルーツを剝いている。まさに家庭内執事である)
でも、「ごめんよ、ララァ」ではなく、「ごめんよ、K。僕にはiPhone 14?に買い替えることの出来る端末があるんだ。こんなに嬉しいことはないよ」というところだろうか。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:小野谷静
P.S.
そもそも子供がiPhone SEで "かえトクプログラム" を使うことになったのも、3G回線のキッズケータイを紛失したから、iPhone SE (4G LTE) 無償提供プログラムを利用できなかったことが理由なのだ。やれやれ。