【横浜日記】クレジットカードよりも役立つ横浜市立図書館カード
先日のことだけれども、無事に横浜市立図書館の図書カードを更新できた。これで2026年5月末まで、横浜市立図書館の本を借用できる。
更新手続きには苦労したけれども、それだけの甲斐はあったというものだ。
ちなみに最近では、国立国会図書館で、絶版になった本を電子閲覧できるようになったとのことだ。これもまた、大変に素晴らしいことだ。
今回は僕的にはクレジットカードよりも遥かに役立つ、横浜市立図書館カードを紹介させて頂くことにする。
面倒なカード作成や更新
念のために申し上げておくと、これは別に横浜市を非難している訳では無い。
藤沢市などは近隣の連携市町村に対して、惜しみなく図書館カードを発行してくれる。そのカードを手にすれば、藤沢市立図書館の蔵書はインターネットで検索したり、予約することが出来る。
ただし残念ながら "連携カード" なので、市民向けカードとは色が異なる。そのために藤沢市内にある慶應大学SFC湘南キャンパスの図書館を利用することは出来ない。
(そういえば親父は時々、わざわざ大学図書館まで行っていたとのことだ)
「藤沢市、やるじゃないの!」である。
だがその一方で、横浜市立図書館は近隣地域と連携していない。
だから住民票が横浜市にあるか、もしくは横浜市に勤務場所や学校などが存在する者しか、図書カードを作成することが出来ない。面倒な話だ。
そして横浜市の真面目さが、この作成手続きを厄介にしている... 某社の社員にとっては。
何しろ最近は携帯電話の利用コストが下がって、わざわざ企業が内線電話を設置する必要がなくなってしまった。職場移転も多く、代表電話番号もチョコチョコと変わるようになってしまった。
お茶目な先輩は、「もう電話の時代は終わった」と宣言し、電話番号の書かれていない名刺を作成してしまった。名刺に記載されているのは職場の住所と、メールアドレスだけだ。
僕は全くお茶目ではない一般人なので、職場方針にちゃんと従った名刺を作成して貰った。しかしそれでも代表電話番号は記載されず、メールアドレスに携帯電話の番号が追加されただけだった。
どうしてそうなるのかというと、代表窓口でも転送対応するのが面倒などの事情があって、出来るだけ使って欲しくないらしい。かつて保育園から固定電話の番号を書くようにと要望されたけど、いざ実際に電話をかけてみたら、取り次いで貰えなかったこともある。
(それから身元を偽る悪質電話が増えて、困る人が増えたらしい)
つまり保育園では会社名しか記入する欄が無かったけれども、今のご時世は、氏名だけでは本人に取り次いで貰えない。さらに内情を暴露してしまうと、昔は交換台というか電話係がいたけれども、今はもう存在しない。そして弊社は従業員がグループ全体で数十万人クラスだ。
漫画フライジャイル(病理医岸京一郎の所見)に登場する、大企業アミノ製薬よりも社員数が多いのだ。
たとえ場末の工場でも、受付が名前だけで対応するのは難しい。そして今は解散した電話係の方々には、ひたすら頭が下がる。
そして肝心なことだけれども、携帯電話では電話をかけて身元確認することが難しい。だから名刺だけでは、勤務地が本当に横浜市内であることを証明するのは難しい。
ところが... もう一つの身元証明の武器である社員証は共通化が進んでおり、頭を抱えたくなる。何が問題かというと、現在の社員証には、本社の所在地と大代表の電話番号しか記載されていない。
東京都千代田区大手町... (千代田区立図書館のカードを作れるのだろうか?)
最初にカードを作成した時は、こんな状況ではなかった。
だから図書カードの新規作成には苦労しなかったし、今回も最初のうちは図書館の担当者さんから、「名刺があれば利用期間の更新手続きは可能」と言われていた。
しかし、いざ改めて窓口へ行って更新手続きを申し込んでみたら、やんわりと断られそうになってしまった。
窓口の担当者には申し訳ないけれども、「事前の確認では、これで大丈夫と言われて電車に乗って来たのに、ダメだと言うのですかっ!」と、半ば(完全に?)クレーマーのような演技をして、半ば無理やり交渉せざるを得なかった。
(ここで断られたら、総務に住所証明ありな在籍証明書の申請手続きをするとか、恐ろしく面倒なことになるところだった。あぶない、あぶない)
いっそマイナンバーとは独立しているので、ちゃっかり横浜市民である母親の図書カードを借りてしまいたいという誘惑にも駆られた。市の税金で運営されているから、もっともな話だけれども、横浜市内の在勤者であることを証明するのは大変なのだ。
これが僕にとっては、図書カードの面倒というか、デメリットに繋がる点だろうか。ただし2026年まで現職で働き続けることは無いだろうから、おそらく今回が最後の更新手続きになるだろう... おそらく、たぶん。
横浜市の図書カード万歳
さてデメリットを書いたところで、今度は横浜市立図書館の嬉しいメリットを語らせて頂こう。
蔵書の質と量が圧倒的
まず何といっても、横浜市立図書館は蔵書が充実している。何しろ横浜市民は372万人以上も存在するのだ。さすがは日本一の政令指定都市であり、二位の名古屋市の240万人と大差をつけるだけのことはある。
それにしても372万人... つまり日本人100名のうち、約3名が横浜市民ということになる。「犬も歩ければ、横浜市民に遭遇する」という訳だ。出身市区町村を当てるゲームの場合、迷った場合には「横浜市」と答えるのが無難そうである。
おまけに人口に加えて、横浜市内にある大学が本を寄贈したり、本の共有をやってくれる。だから洋書や専門書も充実している。
医学部学生の定番教科書とも呼べる、ロビンスの基礎病理学が借用できるのは、横浜市くらいではないだろうか。
一般的に大学教科書は高価である。それを借用することができるのだから、家計における「本の購入費」という予算を減額することが出来る。
おまけに最近は物理的な本だと、収納場所の問題もあって処分されてしまいやすい。我が家では、あっという間にブックオフへ持ち込まれてしまう。そのため、泣く泣くAmazon Kindleなどの電子書籍を利用せざるを得ない。
しかし借用本であれば、別に保管場所に苦労する必要はないだろう。必要になった時に借用して、用事が終わったら返却すれば良い。サラリーマンが、専門書をじっくり読む時間は、残念ながら殆どないのだから。
ともかく、このような家計にやさしい機能は、クレジットカードでは実現できない。所詮は数パーセントのポイント還元が精一杯なので、本の購入費とは比べ物にならない。
ちなみに我が家の子供は本好きな幼少期を過ごし、正月に市内の図書館閉館時に借用した本が、77冊を記録したこともあった。(現在では最大10冊の貸出となっている。現在は学校の図書室が充実しており、電子書籍も借用できる。おかげで我が家は、何とか倒産の危機から免れている)
だから図書館カードは、クレジットカードとは比べ物にならないくらい嬉しい存在なのだ。
貸出や返却が便利
これはどこでも同じだと思うけれども、最近の図書館には返却ポストが設置されている。僕の住民票がある居住市も、徒歩数分のところに返却ポストがある。
横浜市の場合は、この貸出や返却が異様に充実している。もともと駅近くに横浜市の各区立図書館が設置されているだけでなく、駅から少し離れている場合には、駅直結の貸出や返却が可能なサービスセンターが設置されている。(例えば東戸塚とか二俣川)
実は職場の近くにも区立図書館があるけれども、残念ながら仕事中は忙しくて、なかなか図書館へ行く時間を確保することが難しい。そして僕の立場は、出張皆無に近い下っ端である。
ちなみに僕、海外出向とか海外研修による海外在住経験はあるけれども、実は海外出張経験はない。たぶんこのまま、一度も海外出張を経験することなく退職すると思う。
おまけに今は、ご存じの通りのご時世なので、そもそも職場へ出社することがない。一年に数回の出社... 工場長への報告もオンライン会議... よくまあ給料が頂けるものだと、我ながら感心してしまう。
そんな僕を救ってくれるのが、休日にも本の貸出や返却が可能なサービスセンターだ。返却だけならば、自動車や自転車で近くの区立図書館へ行くことも可能だ。
(いちおう主夫なので、休日も昼間は忙しいのよ)
どこも頑張っているけれども、横浜市のサービスはすごい。あとは横浜駅にサービスセンターが存在すれば、もう完璧だ。
やっぱり気軽に利用できるというのは、ありがたいことである。
もはや武器となる図書館カード
以上の通りで、僕的には横浜市立図書館の図書カードは、クレジットカードよりも、遥かに役立つ存在なのだ。
そして横浜市というのは小説や漫画の舞台になることが多い。例えば子供が大好きなマンガである "文豪ストレイドッグス" も、横浜市が舞台である。
と、いうか、TVアニメでは、横浜市立中央図書館には、異能特務課の武装ヘリが格納されていた。もはや図書カードも、武器として使えそうな気がしてくる。
そんな訳で、更新手続きには大苦労したものの、それだけの甲斐はあったというものだ。マンガも借用できるし、庶民の味方なのである。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:小野谷静