どうして各社の不織布マスクは評価が分かれるのか?
今や腐食... いや不織布マスクの着用は常識となった。最近は近所のスーパーへ行っても、「当店では不織布マスクの装着をオススメしております」というアナウンスが流れている。
家族に言うところだとアナウンスだけでなく、ポスターも貼り出されているそうだ。たしかに不織布マスクであれば、ウレタンマスクは言うに及ばず、布マスクよりも感染抑制効果が高い。TVでも不織布マスクの効果が紹介されているし、厚生労働省も文書化している。
実は僕も最近は、不織布マスクを着用することが多い。もちろん長時間外出にはN95マスクだけれども、N95マスクは少しばかり価格が高い。防御力と、相手に迷惑をかけることを防ぐ予防力において超優秀なN95マスクだけれども、「材料も加工も手間がかかるので高い」という弱点がある。
なお世間ではKF94マスクとやらが人気だけれども、これは僕には向いていない。家族も友人も使っているKF94マスクだけれども、僕には「ガッチリとガードされている安心感」が感じられないのだ。
(何しろ僕はN95マスクの息苦しさに安心感を覚える変人なのだ。ちなみにN95マスクで走ってみると、500mくらいで呼吸困難になってしまう。過激な運動は禁物だ)
ちなみに僕はアレルギー体質であり、2015年頃は一年365日、ずっと不織布マスクを装着して外出していた。もちろん建物内でも、食事の時以外は不織布マスクを装着したままだった。あの頃は異動直後だったので、おそらく僕の素顔を知る人は少なかっただろう。
今回はそんな僕が、どうやって不織布マスクを選ぼうかと悩んでいる方々に対して、どうしてネット上で同一メーカーの不織布マスクに関する評判が分かれているケースが多いのかという謎を解説させて頂くことにしたい。
我が家で活躍しているマスク
まずは我が家で利用している不織布マスクを紹介しておこう。こちらが子供の使っているマスクだ。高級マスクに分類されてしまうかもしれないけれども、誰もが知っているとも言えそうなユニチャーム超快適マスクの「小さめ」サイズだ。
ちなみに僕も勝負用の不織布マスクとしては、このユニチャーム超快適マスクを採用している。(勝負用?)
しかしユニチャームは勝負用マスクとして超快適に使える一方で、価格にも「超」を付けたくなってしまう。なんだかN95マスクと、費用面では大差ないような気もするくらい、良いお値段なのだ。シルク採用なので、仕方のないことかもしれない。
- 長時間つけても、耳が痛くない!
- 「シルクタッチフィルタ」でつけ心地快適!
- 「全方位フィット構造」でスキマを作りにくい!
- 「99%カットフィルタ」で、しっかりブロック!
- 「通気フィルタ」で息ラクラク!
御利益はありそうだけれども、普段使い用とするには予算的に厳しい。そこで2022年4月20日現在、僕は日常用としては白十字のサージカルマスク プレミアムを使用している。医療用マスク クラスII 規格適合であり、ユニチャームと同じく、販売元がAmazon Japanとなっている。
僕は白十字のことは詳しく知らないけれども、販売元がAmazonということは、それなりの商品だと考えても良さそうだ。PFE、BFE、VFEも98%以上と記載されている。
ちなみに個舗装タイプの白十字サージカルマスクも販売されているが、僕は予算の都合で箱詰めタイプを購入している。(そもそも個包装で常時持ち歩きたい時は、EverryのN95マスクを使うので問題ない)
さらに紹介しておくと、2015年頃の僕は、BMCフィットマスクの使い切りタイプを使用していた。
このBMCフィットマスクは、一般用マスクの規格適合品レベルなので、PFE、BFE、VFE、花粉の規格値は95%である。最近はモデルチェンジしたらしく、「昔はカッチリしていたっ!」という人もいる。
僕も在庫が無くなったので一つだけ調達してみたけれども、たしかに2015年頃とは別マスクのように感じられる。不織布フィルターやマスク本体が進化したのかは分からないけれども、妙にふにゃふにゃと柔らかさを増している。耳ひもも太くて柔らかくなっている。
しかし何と言っても、BMCフィットマスクはコスパが良い。2022年4月20日時点でも、性能的にはサージカルマスクには一歩及ばないものの、僕程度の花粉症ならば問題なく散歩時に利用できる。相変わらず頼もしい相棒だ。
どうして評価が分かれるのか
さてここからが肝心なのだけれども、ネット上で上記のマスクたちのレビュー評価に目を通すと、絶賛する人もいれば、使いモノにならないと酷評する人もいる。だから僕も最初はレビューを参考にすることが出来ず、一体どの不織布マスクを購入すれば良いのか、途方に暮れてしまった。
しかしN95に絞るのも悩ましい。大手町の自衛隊接種会場を訪れた際は、会場運営する方々は不織布マスク+簡易ゴーグルという装備だった。スーパーサイヤ人ではないけれども、防御という観点ではマスクだけではリスクがあり、ゴーグルを装着した方が望ましいようだ。
僕の場合は簡易ゴーグルだと他人から驚かれてしまうので、装着するのは花粉症メガネということになる。いずれにしても日頃使っているメガネよりも大型サイズになるので、N95マスクだと両者がぶつかってしまう。だから不織布マスクを装着するのが望ましいという結論になる。
しかし今まで使っていたBMCフィットマスクは一般用マスクなので、できればワンランク上のサージカルマスクレベルの不織布マスクを使いたいところだ。とりあえずAmazon Japanが販売しているという点に着目して、ユニチャームや白十字マスクという「お目当てマスク」は見つけたものの、どうにもレビュー内容差が気になってしまった。
一体どういうことだろうか?
二三日、仕事の合間に悩む日々が続いた。
で、いつものように、謎は向こうから勝手に解決へと向かってくれた。ふと気づいたけれども、僕が目をつけたマスクを酷評した方々は、別なマスクを推奨していたのだ!
これ、「小野谷静は何を当たり前のことを言っているんだ?」と、思われるかもしれない。
その通り。そこで説明を付け加えると、別なマスクのレビュー評価に目を通したらば、そのマスクを酷評している人もいたのだ。
- 信用できそうなコメントをする人々が、OKとNGを出している
- Aさんはマスク1を良いと評価
- Bさんはマスク1はダメで、マスク2が良いとコメント
- Cさんはマスク2はダメだと評価し、マスク3が良いとコメント
- Dさんはマスク3はダメだと評価し、マスク4が良いとコメント
これらが全て真実だとしたら、いったいレビュー評価の内容差は、何を意味していることになるだろうか?
さらに興味深いレビュー評価も見つかった。
- Xさんは、僕が使用しているEverry N95マスクをNGだとコメント
そうなのだ。
つまり、たしかにマスク本体は悪くなかったけれども、どうやら皆さんの装着方法に改善の余地があったのだ。具体的に言うと、耳ひもの長さなどを、各人用に調整する必要があるということなのだ。
例えば僕は花粉症メガネを作成してみて分かったけれども、Lサイズではなくて、Mサイズのメガネが最適サイズとなる。日本人としては平均的身長の "アベレージ・ジョー" だけれども、馬ヅラ... 面長なので、実は "小顔" だったりする。だから、耳ヒモの長さを短くする必要があるのだ。
モチロンご覧の通りで、鼻部分の金具も自分用に調整することが望ましい。そういう調整をすると、驚くほど装着時に息苦しくなって来る。つまり、マスクが本来の性能を発揮できるようになっているということだ。
そういえば僕にKF94マスクをオススメして下さった医師Kさん、一時期はウレタン+不織布マスクもオススメしていた。どうも僕には合わなかったのだけれども、今になって考えてみれば納得がいく。
つまり僕は自分にピッタリと合ったマスクをしていたので、さらにウレタンマスクなどを使って、不織布マスクを上から押さえる必要が全く無かったのだ。だから医師Kさんがオススメしてくれた二重マスクは、僕にはピンと来なかった訳なのだ。
ちなみにユニチャームの超快適マスクにしても、耳ひも部分を少し短くしたら、本当に驚くほど密着度が高まった。花粉症メガネは曇り止めジェルを塗らなくても、全く曇らないようにもなった!
そういう訳で、自分用への最適化が未実施だったために、評価が分かれていたのだ。冒頭の厚生労働省のWebサイトにも、実はそのように説明されている。
"同じ素材のマスクの間でも、自分の顔にぴったりとフィットしているマスクを選ぶことが重要です。"
だから白十字のサージカルマスクは、自分の顔に合うように調整すれば、ユニチャームの超快適マスク並みの性能を発揮することも出来るのだ。そして両者の販売価格の差は性能差ではなくて、予め万人向けに合いやすい形状に工夫された加工になっている点と、肌触りの良いシルク感という差異によって生み出されていたという訳なのだ。
まとめ
以上の通りで、たしかに有名メーカーの良質なマスクのハズなのに、どういう訳か評価が分かれるという「謎」を究明することが出来た。購入さんたちのコメントは間違ってなくて、問題はメガネなどと同じく、自分用にフィッティングさせる部分にあったのだ。
(ちなみに鼻の金具部分は、あらかじめ曲げてから装着すると、顔とマスクの密着度が高くなる。息苦しさは増してしまうけれども、それだけ周囲に迷惑をかけにくくなるし、こちらの防御力も高まるのだから、仕方がないと割り切るしかなさそうだ)
なお今日も見かけてしまったけれども、ウレタンマスクは論外だ。
これは子供用のオモチャ顕微鏡で観察しても分かるけれども、ウレタンマスクは「スカスカ」なのだ。だから息苦しくないけれども、マスクを装着する意味が激減してしまう。
(今回は余裕ないので、マスクの顕微鏡写真とヤンデル先生の話はいずれ)
おまけに不織布のように微小物を吸着してくれる性質もない。
そうそう、不織布マスクにしても不織布が微小物を吸着してくれるから効果を発揮する原理なので、基本的に使い捨て利用となる。ユニチャーム超快適マスクだと「機能性の維持、衛生面から、1日1枚のご使用をお勧めします」と記載されている。
僕のEverry N95マスクでも、機能が保証されているのは9時間と書かれている。まあN95マスクを9時間も装着し続けるケースは皆無だと思うけれども、ともかく不織布の機能には限界があるという訳だ。
(我がお袋さん、だから頼むから、マスクが黄ばむまで不織布マスクを使い続けないで下さいな。箱に記述されているように、せめて「一日一枚」を目安に!)
そういえば僕の友人は、先日K94マスクを一日で4回使い捨てたとのことだ。ともかく目に見えないものを相手にするので、くれぐれも油断することないように注意した方が良いだろう。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
------------------------
記事作成:小野谷静