[機器日記] 横浜駅に近い場所にあっても、Auしか使えない実家

子供を塾へ送るという一仕事を終えて帰宅したら、家人が実家とLINEビデオ通話していた。

仕事場所へ戻ろうと通りかかったら、「なんだか画面が動かないわねー」と会話していた。それでふと気になって、ネットワーク回線の利用状況を確認してみた。

実家にある第三世代iPad Airは、僕が調達したタブレット端末なのだ。LINE自動ビデオ通話などの設定から、携帯電話会社IIJMIOとのMVNOネットワーク回線契約に至るまで、全て僕がおこなっている。

逆にいえば、ビデオ画面が動かないとういう問題への対応も、僕が対応する責任を負っているということだ。

で、久しぶりに携帯会社アカウントにログインして、使用状況などを30分ほどかけて確認した。そうしたら意外なことに、LINEビデオ通話で契約データ量を使い切っていることが分かった。

契約データ量を使い切ってしまうと、一般的には低速通信で我慢することになる。たしかに「画面が動かない」というのも、納得できる状況である。とりあえず2GBほど高速接続データ量を追加購入した。

ちなみにLINEビデオ通話をしている二人は、大変に奥ゆかしい性格である。かつて某有名旅館に宿泊した時には、白米の晩御飯を食べることが出来なかったという悲劇も経験している。

二人を担当した仲居さんは忙しくて、おひつや茶碗を出すのを忘れてしまったらしい。しかしどちらも白米のことを仲居さんに確認することが出来ず、「ここは有名旅館だけれども、白米のご飯は出さない方針なのだろうか」と悩みながら、刺身だけを食べていたとのことである。

空気を読むということを知らない僕だったらば、遠慮なく最初から大声を上げて仲居さんに声をかけてしまうところだ。そうしない奥ゆかしさが二人らしいとも言える。なんでも一通り食べ終わった後になって、仲居さんは厨房に一つだけおひつが残っていることに気付いたらしい。涙なくしては、聞くことが出来ない悲劇である。

既に毎月契約している2GB高速データ通信量を使い切っていたので2GB追加したことを説明したところ、「止まった画面の顔が面白かったから、画面が動かないことは全く気にならなかった」と言われた。相変わらず奥ゆかしい方々である。

ちなみに言い訳をすると、IIJMIOというMVNO会社では、使った分だけ使用料を支払うという概念(従量制)がない。あらかじめ毎月契約で利用可能な高速データ量を設定しておくことになっており、それを超えると低速通信モードへ移行する。

ただし会社によって特徴があり、IIJMIOの場合は低速通信と言っても、一般的な最大128Kbpsでなくて、最大300Kbpsを提供してくれる。だからビデオはともかく、音声通話に関しては殆ど問題が生じないないという訳である。それで低速通信で、一週間以上も使い続けていたらしい。

おまけに家人の実家契約だけを、こまめにチェックするのは、それなりに手間がかかる。今回はパスワードも忘れるほど使っていなかったので、パスワードリセット作業なども必要になってしまった。それで先ほどのように、貴重な30分を消費する羽目になってしまった。

それでは別な会社と契約すれば良いのではないかと言われそうだが、これがなかなか難しい。もちろん世の中は金次第であり、IIJMIOにしても毎月20GBを利用する契約にしておけば問題ない。しかし塵も積もれば山となるというように、僕の実家、家人の実家、我が家といったように、三方からジェットストリームアタックをかけられると、座視できない月額使用料となってしまう。

そうでなくとも、我が家には高速データ通信を大量消費する猛者が存在する。寿司でマグロのトロに手を出そうとしないのが、せめてもの救いという状況である。

それから他の会社というと、Auの4G LTE回線を取り扱っている会社が多くない。肝心のAuご本尊は、猛者が起こしたトラブルを見れば明らかなように、「高額な従量制」となる。ただし半面、「高品質で安定利用が可能」といった利点がある。

だから家人が気にしなければ、猛者殿の契約もIIJMIOなどの他会社へ切り替えてしまいたい出費額なのだけれども、「その分は父ちゃんが頑張って働いて稼ぐ」という構図になる訳である。それにAuであれば定期的にチェックしているので、何かトラブルを起こして直ちに一報を入れてくれる。

そして僕の実家は日本通信というMVNO会社だけれども、こちらは従量制課金である。おがけで、こまめに利用状況をチェックする必要がない。

つまり僕として言い訳したいのは、今回の契約データ量を使い切っていた問題は、半ば不可抗力だったと...

ちなみに家人の実家は横浜駅から数駅という近距離だけれども、近所に渓谷が存在するような場所である。横浜というと港町とか赤レンガをイメージする人が多いが、これが「真の横浜」である。何しろ人口は370万人を超えており、土地面積も相応に広い。

東京都の二十三区とは違うのだ。

なおDocomo、ソフトバンク、楽天の名誉のために断っておくと、これら三社を実家で全く使えないという訳ではない。日中であれば、いちおうアンテナ三本くらいで接続できる。

しかし義父が家人を箱入り娘として育てたコンセプトと共通するかもしれないが、実家の建物も鉄壁の防御を誇る。「カテナチオ」という言葉も思い浮かぶほどだ。

何が「鉄壁の防御」なのかというと、一般的な一戸建て家屋に対して、金属製の外壁を追加している。雨戸も木製ではない。だから一たび夜になると、三社の回線は格子窓の近辺でしか利用できなくなってしまう。

東野圭吾ガリレオ映画「真夏の方程式」では、アルミ箔に携帯電話を包むことによって、電波を遮断する方法を紹介していた。基本的には、これと全く同じ話である。

(ここでの携帯電話とはガラケーやガラホのことで、節約父ちゃんはガラホ契約者なのだよ。えへへ)

ともかくそんな訳で、僕の携帯電話との格闘は、まだまだ一段落する気配が見えない。

それに何だかんだといって、LINEビデオ通話に代表されるように、「誰かと繋がっている」というのは悪くないことだ。そてにネットワーク越しであれば、物理的に感染するリスクもゼロだ。

問題は、僕がもっと稼ぐ必要があるということ... あ、自分で自分へトドメを刺してしまった。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静