くもり止めジェル、曇り止めコート付きメガネに勝つ
曇り止めコーティングのレンズは素晴らしい。しかし数日に渡って試したところ、機能的には "くもり止めジェル" の方が優れていることが分かって来た。
今後の人類は、万一... もしかすると... ひょっとすると... マスクだけではなくて、防護用にメガネ着用も必要になるかもしれない。 そんな時のために、簡単だけれども、比較結果を報告させて頂くことにする。
(念のために最初にコメントしておくと、特に大きな差は無かった)
曇り止めコーティング
2022年2月14日時点で、くもり止めジェルと曇り止めコート付きレンズには、大きな機能差はない。くもり止めジェルが冒頭画像で、曇り止めコーティング加工レンズがコチラになる。
どちらにも、水滴が付いている。そして、くもり止めジェルを塗布した冒頭画像のノーマル度入りレンズの方が、水滴の度合いが若干少ない。10回近く環境を変えて試してみたけれども、くもり止めジェルの方が全パターンにおいて、視界が良好だった。
「これで曇り止めと言えるの?」と思う人がいるかもしれない。そのために解説しておくと、曇り止めというのは、水滴が付かなくなることではない。
湿度が一定値を超えると、気化している水蒸気は、集まって水滴化せざるを得ない。ポイントは、「どのように水滴化するか」という問題になる。「はぁーっ」と息をかけたり、湯気を当てた時みたいに霧状にレンズに付くと、何も見えなくなってしまう。
曇り止めというのは、この視界ゼロとなることを防ぎ、出来るだけ水滴が付着していない視界と同じように見えるようにする技術のことなのだ。だから湿度が高くなると、御覧のように水滴付着という状態になってしまう。
ただし自動車でワイパーを使うのと同じで、ある程度を超えない水分であれば、視界を維持することが出来る。それに水滴化するのも、若干遅らせることが出来る。どちらの方法を採用するにせよ、メガネ使いに "曇り止め" は欠かせないだろう。
ちなみに、昔は曇り止めコーティング加工は高価だった。だから我が家の場合、家族の10万円レンズにだけ、曇り止めコーティングを実施して貰った。子供が初めて非球面レンズを使った時にも、曇り止めオプションは付けなかった。
そのような次第で、私が曇り止めレンズを利用したのも、実は今回が初めてだ。と、いうか、JINSの花粉症メガネに初期装備されているレンズには、最初から曇り止めコーティング加工が施されている。だから初めて、曇り止めコート付きレンズを堪能することになった。
その時の感想は、「素晴らしい!」の一言に尽きる。何しろ今までは視界ゼロで身動きできなくなって困っていたのに、そのような苦労が消え去ったのだ。
我が子よ、申し訳ない。「みんなビンボーが悪いのだ!」と言いたいくらいだ。それくらい、曇り止めコーティング加工は素晴らしい。
なお曇り止めコーティング加工にしても、徐々に実施費用が下がりつつあるようだ。今では3プライス眼鏡店ならば、5,000円程度でオプション加工して貰えるところが多い。
特に子供向けメガネに関しては、この曇り止めコーティング加工を実施して貰うことを、強く... 強くオススメしたい。
(そういえば機動戦士ガンダムのファースト版では、可動部をマグネット・コーティングして性能アップしていたな。やっぱりコーティング加工は素晴らしい)
くもり止めジェル
さて曇り止め加工レンズでないノーマル状態の子供と私は、レンズクリーナーを利用していた。イワキメガネなどで無料配布して貰える、あのレンズクリーナーだ。
一時期はこれをレンズに塗布して冬場を過ごすのが、われわれメガネ族の習わしだった。今でもレンズクリーナーこそが最高だと信じている部族も生き残っている。
しかしレンズクリーナーが最高だったのは、数年前までのことだ。技術は日進月歩であり、2022年2月14日時点では、くもり止めジェルが最高の選択肢となっている。
コスト的にも、曇り止めコーテイングよりは、くもり止めジェルの方が優れていると言えるだろう。コーティングは1-2年程度の寿命であり、ジェルは一回の塗布で3-4日は大丈夫で、1パック100回くらいは利用できる。
我が家では、レンズクリーナーに代わって、くもり止めジェルを使い始めている。この程度の出費だったら、コスト的にも許容範囲内だ。そして冒頭から説明しているように、曇り止めコーティングよりも機能的に優れている。
「だったら曇り止めコーティングでなくて、曇り止めジェルだけで十分じゃない?」と思われるかもしれない。
大変残念です、メガネの世界は、そんなに簡単では無いのです...
曇り止めジェルというのは機能的にもコスト的にも優れているけれども、ちゃんと手抜かりなく塗布するという作業が必要なのだ。これ、特に忙しい現代人には向いていない。
おまけに、何かの拍子にレンズに水がかかったりしたら、効果が無くなってしまう。だから、いつでも再塗布できる大人ならばともかく、子供には向いていない。
だから先ほど、「特に子供には曇り止めコーティング加工が強いオススメ」と言ったのだ。それに機能的に優れているといっても、画像で紹介しているように、両者に大差はない。
(ノーマル状態の度入りレンズが、温かい吐息をかけた瞬間に真っ白になるのとは大違いだ)
ただし曇り止めコーティングは、レンズに固有の機能だ。くもり止めジェルのように、どのメガネにも使うことが出来ない。
私のようにアレコレと使うメガネを変える者には、あまり向いていないと言えるかもしれない。
まとめ
以上の通りで、くもり止めジェルと曇り止めコーティング加工のどちらが機能的に優れているかという比較では、くもり止めジェルの方が優れていると言える。
ただし今回説明したように、あくまで機能的には曇り止めジェルの方が優れているというだけだ。
価格という点でも曇り止めジェルの方が優れているけれども、運用コストの手間まで含めると微妙になって来る。人間というのは、本当にナマケモノのように面倒事が苦手だ。
また機能にしても、曇り止めジェルだけが圧倒的に優れている訳ではない。くもり止めジェルと曇り止めコート加工は、どちらも同じくらい優れている。ノーマル状態とは全く比べ物にならない。
あとはTPO (とっても、ピーマンな、オススメ) に応じて、自分にとっての最適解を選択するのが良いだろう。映画「ローマの休日」のように、「どこの町にも、それぞれの良いところがあります」なのだ。
以上の比較レポートと画像が、少しでもお役に立つことがあれば幸いだ。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:小野谷静